- 更新情報2026.10.9
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開催レポート記事を公開しました!

2026年7月29日、メリービズ初となる大型オンラインカンファレンス『AI×経理の「最新動向 2026」 — 持続可能な経理体制 —』を開催いたしました。
本カンファレンスは、昨今の急速なAI技術の進化と、経理現場における深刻な人手不足や属人化という課題に対し、いかにして「持続可能で安定した経理体制」を構築すべきか、その具体的な実践法を共有する場として企画されました。
当日は、経理のスペシャリストによる特別セッションや、注目システムベンダー5社による講演が行われ、多くの方々にご参加いただきました。
本記事では当日の様子をレポートいたします。
1. 開催概要
- イベント名:AI×経理の「最新動向 2026」 — 持続可能な経理体制 —
- 日時:2026年7月29日(水) 13:00-16:30
- 開催場所:オンライン配信
2. 参加者からの声
カンファレンス終了後、参加者の皆さまから多くの反響をいただきました。講演を視聴した参加者から、アンケートに寄せられたお声の一部をご紹介いたします。
- これからの経理部門において重要な考え方を知り、AIエージェントを利用した経理は劇的に変わっていくと思えました。
- 未来の経理を見れた気がして、ワクワクする反面、不安も大きくなり、より一層学んでいかなければならないと思いました。
- 具体的なAIエージェントの活用方法や、各サービスのAIの動向が知れました。
- 経理の現場に一人はいるスーパースターの話、まさにおっしゃる通りだと感じた。属人化の流れを断ち切るための要素としてAIの導入は重要だと感じました。
- AIについてだけでなく、どんな業務においても、自分も含めおそらくみんなが思っていることを、外部から聞くことで新たに意識できることがありました。
ご参加いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
3. 基調講演・スペシャルトークセッション
基調講演①:会計システムは操作せず、言葉で指示する時代へ
AIを活用した最先端の経理の仕事術
会計システムは操作せずに言葉で指示する時代へ
白井敬祐公認会計士事務所 代表(公認会計士) 白井 敬祐 氏
最初の基調講演に登壇したのは、CPAラーニングの実務家講師であり、上場企業へのAIコンサルティングも手掛ける公認会計士の白井 敬祐 氏。
2026年、AIは「相談相手」から業務を自律完結させる「AIエージェント」へと進化しました。会計システムを直接操作する従来のITスキルから、言葉でAIに指示を出す新しい経理の仕事術について、実演デモを交えて解説いただきました。
今回の基調講演では、アンソロピック社のAIツール「Claude Code」と会計システムを接続技術「MCP」で連携させた最新デモを実演。
さらに、従来では1週間ほどかかっていた試算表の「月次増減分析」も、データを読み取ってわずか10分で推論・レポート化。直接「システム操作」するのではなく、「言葉によるAIへの指示出し」へと経理の役割が大きくシフトしている様子が示されました。
基調講演②:AI×経理の現場実情 — とりあえずAI導入が失敗する理由 —
AI×経理 現場の実情 ―とりあえずAIを導入が失敗する理由―
株式会社IS経理事務所 代表取締役 葛西 一成 氏
続いて登壇したのは、東証プライム・グロース上場企業2社で経理部長を歴任し、現在は数々の企業でシステム導入アドバイザーを務める、株式会社IS経理事務所 代表取締役の葛西 一成 氏。
AIツールの導入が進む一方で、現場での活用が一部の「好奇心ある個人」に属人化している現状を指摘。「人・組織・時間」の3つの壁を分解し、単なるツール導入にとどまらない「体制作り」の重要性を提示いただきました。
葛西氏は、紙の税務報告書のデータ化(NotebookLM活用)などの事例を紹介しつつ、横展開を阻む要因として「業務の言語化力不足(人)」「横展開の仕組み不足(組織)」「検証する時間不足(時間)」の3つの壁を提示しました。
その上で、求められるのはツール選びではなく「体制作り」であると強調。請求書業務を例に受領から支払いまでのプロセス全体を俯瞰し、AIシステムを活かす業務プロセスの設計と仕組み化が不可欠であると語りました。
社内リソースだけに頼らず、キーパーソンの育成や外部パートナーの知見を借りながら自社に最適な業務フローを再設計し、「ツール選びの段階から『体制作り』へ移行すべきときだ」と講演を締めくくりました。
スペシャルトークセッション
スペシャルトークセッション
白井 敬祐 氏 × 葛西 一成 氏 × 長谷 龍一
基調講演に続き、白井氏、葛西氏、そしてメリービズの長谷によるスペシャルトークセッションが行われました。
白井氏からは、AI活用の初期段階時のハルシネーションの失敗談が明かされ、人間のチェックが不可欠である理由を説明。また、葛西氏とともに「1人のスーパーエースが休むと決算が止まるリスク」や「ブラックボックス化したマクロ(VBA)への依存」という持続可能性の課題を具体的に深く掘り下げていきました。
明日から始める第一歩として、個人は「まず触ってみる」、会社は「安全なガードレールの整備と社内にキーパーソン(エバンジェリスト)を立てること」を提案。
さらに、定型業務を外部に託すことで社員の時間を物理的に空け、空いた時間でAIの勉強をしたり新しい業務フローを設計するという体制構築を示唆。このために、逆転の発想として「時間を創るためのアウトソーシング活用」が、これからの体制構築における解決策になると強調しました。
4. 注目システムベンダーが語る、AI時代の具体的な業務改善アプローチ
続くセッションでは、経理DXを牽引する5社およびメリービズに、AIを軸としたテクノロジーと具体的なアプローチについてお話しいただきました。
① フリー株式会社
AI x freeeで実現!作業工数95%削減した
「やっといてくれる」経理改善とは?
フリー株式会社 メインストリーム会計PMM事業部 部長 中川 拓也 氏
これからのバックオフィスは、自分たちが頑張って業務を行うのではなく、AIが「裏でやっておいてくれる(Done for You)」体験に進化すると提唱。
講演の中で、freeeのAIアシスタントの具体的な活用事例として、取引先ごとの複雑な掛け率判定をAIに任せることで、仕訳・納品書作成の作業工数を95%削減した製造小売業の事例などを紹介しました。
② 株式会社ラクス
AI活用×「楽楽精算」で実現する
自動化とガバナンスを両立した経費精算の最適解
株式会社ラクス マーケティング統括部 宮崎 翔太 氏
株式会社ラクスが提供する経費精算システム「楽楽精算」とAIを活用しながら、自動化とガバナンスをどう両立していくのかについてお話しいただきました。
「AIの推論精度は100%にはならない(ハルシネーションリスク)」という現実を直視し、「自社のルールを変えず、AIの不完全さによるリスクをカバーしてガバナンスを担保するにはどうすればよいか」という現実的な設計を提示。
「特定の役職以外は使えない」などの絶対に守るべきルールは楽楽精算のシステムで物理的に100%ブロックし、手間のかかる証憑の自動取得や伝票入力などAIに任せることのできる業務はAIに任せるという、「システム機能とAIの明確な役割分担」こそが安全な自動化の最適解であると語りました。
③ 株式会社インフォマート
紙・PDFから始める現実解!
インフォマートが描く『挫折しない経理AI活用』3ステップ
株式会社インフォマート ホリゾンタルセールス部 部長 源栄 公平 氏
法令対応としてのシステム導入が一巡したものの、「取引先からの紙対応がなくならない」「PDFを結局目視で打ち込んでいる」という、アナログとデジタルの二重管理に悩む現場のリアルを整理。
インフォマート社が推奨しているのは、無理のない「段階的なDXステップ」。まずはAI-OCRや受領代行BPOを活用してすべての請求書を一元化し、その後承認フローを回して会計ソフトへ連携、タイミングを見て徐々にデジタルインボイス(完全デジタル化)の比率を高めていくという、挫折しない無理のない3ステップを提唱しました。
④ 株式会社invox
月末・月初の請求書業務を自動化し、AIとともに成長する『invox』
株式会社invox Customer Success 奥田 健一 氏
「既存の業務フローはそのまま活かしながら、人の作業をAIに置き換える」ことで、驚異的なコストパフォーマンスを実現するinvoxの強みを紹介。
請求書のアップロードからわずか10秒での高精度データ化、自動仕訳生成、各種承認からオンラインバンクへの全銀データ連携までを一気通貫で自動化。さらに、自然言語(日本語)で「こういう風に読み取って」とAIに指示を出せる新機能や、バラバラなCSVデータの取り込みをAIが支援する機能など、進化のスピード感をアピールしました。
⑤ マネーフォワードコンサルティング株式会社
AIエージェント時代の連結経理ワークフロー
マネーフォワードコンサルティング株式会社 プロダクト戦略本部 中山 勝貴 氏
実務における本当のAI活用とはどのようなものか、というテーマで講演。「AIを使う前に、まずはLET関数やPower Queryなど、モダンExcelの進化を使い切ることが極めて有効」という実務担当者ならではの視点を共有。AIに直接作業をさせる前に、高度なExcel関数やロジックをAIに書いてもらい、それを活用することが最大の効率化になると語りました。
また、開発中の新しいAIエージェント「マネーフォワード AI Cowork」を紹介。日本語の指示だけで、AIが自律的に連結決算の進捗確認やデータインポート処理を一括処理するプレビュー動画を公開しました。
⑥ メリービズ株式会社
人材視点で見るAI活用とは
経理BPaaSの役割とこれからの体制構築術
メリービズ株式会社 ビジネスディベロップメントチーム マネージャー 長谷 龍一 氏
カンファレンスの締めくくりとして、メリービズ株式会社の長谷が登壇。第一部の専門家たちによる議論、第二部のシステム各社の進化を受け、これからのAI時代における「持続可能な経理体制の具体的な構築術」について語りました。
実際にメリービズへ寄せられる「業務プロセスが見直せない」「データ整理ができない」「時間がない」といった悩みを提示し、特定メンバーへの属人化やブラックボックス化したツールに依存する組織の脆弱性を指摘。
これらを克服する手段として、業務代行(BPO)とクラウドシステム(SaaS)をセットで提供する「経理BPaaS(バーチャル経理アシスタント)」の活用を提案しました。定型業務を外部プロチームに託すことでBPR(業務再設計)が自然と進み、社員が「AI検証や未来の財務分析に注力する時間」を創出できると説明。
経理の専門家を頼ることで日々の実務を安定・標準化し、空いた時間でプロと一緒にAI活用の体制構築を進めていく持続可能な体制構築について力説しました。
5. 終わりに:2026年、AI活用・BPaaS活用は新しい経理体制のスタンダードへ
メリービズとして初めての開催となった今回の大型カンファレンス。
AIがもたらす経理の未来の姿や、変革を阻む現場のリアルな障壁、実務に落とし込む各ソリューションの進化、そして、それらを支えて持続可能な形へと変革するアプローチまでをお伝えしてまいりました。
AIは、経理の仕事を人から奪う脅威ではありません。むしろ、ノンコア業務から解放し、「数字の背景を読み解き、経営を支える」という、経理本来のクリエイティブな価値へと立ち返らせてくれるパートナーといえます。
私たちはこれからも、皆様のバックオフィスがより良く、より持続可能になるための価値ある情報を発信し、経理のインフラとして多くの企業様をご支援し、伴走してまいります。
- メリービズ編集部
- オンライン経理アウトソーシング「バーチャル経理アシスタント」、経理DXコンサルティング「メリービズ経理DX」を提供するメリービズ株式会社の編集部です。経理ご担当の方・管理部門の方・経営者の方に役立つ情報をお届けします。
